『Adobe MAX Japan 2018』をまるっと体験レポート

Adobeのクリエティブイベント『Adobe MAX Japan 2018』に参加しました。
Adobeのツール(特にIllustrator)には、ここ6年間お世話になりっぱなしなのですが、『Adobe MAX Japan』に行くのは今回が初めてです。
最新のツール業界のトップランナーの方々のセッションを間近に体験できるAdobe日本最大のイベントを心ゆくまで満喫してきました!


(写真は会場のパシフィコ横浜入口付近にて撮影)

『Adobe MAX Japan 2018』参加者の朝は早い

朝に『MAX Store』やランチセッションの整理券を配布するため、朝早くから列ができるそうです。
先頭付近に並んでる人に聞くと「8時前から並んでるよ〜」とのこと。(すごい!)

9時30分になると、列の先頭から会場へ案内されます。
会場の中は日光が遮断されていて、全体的に暗かったのですが、あちこちで照明が煌々と照っていて、例えるなら夜に遊園地に来たような雰囲気。

会場内に溢れる多くの方がAdobeを使うクリエイターなんだと思うと、1人単独参加での心細さも感じないくらい嬉しい気持ちになりました。


(メイン会場中心エリアの様子)


(KEYNOTEの座席からの眺め:中央列後方)

今回の1番の本命!「BREAKOUT SESSIONS」

『Adobe MAX Japan 2018』 「BREAKOUT SESSIONS」。
これを目当てに来たといっても過言ではないくらい、心待ちにしていたのでテンションもMAXです。

「BREAKOUT SESSIONS」ではWEBや映像・デザインなどクリエイティブ界の最前線の方々のプレゼンテーションを聴講することができます。
各セッションはタイムテーブル別に分かれていて、沢山あるセッションの中から事前に参加希望のものを申し込む必要があります。
魅力的なタイトルの数々から、選べるのは各タイムテーブルたった1つだけ

そう…たった1つだけなんです。

聞きたいセッションが重なろうものなら頭を抱えることは必然で、この縛りが多くの参加者を悩ませます。
後日各セッションの動画が配信されるそうですが、せっかく行くなら直接見たいし聞きたいですよね。
私も後日配信されることを心の支えに、魅力的なセッションの中から断腸の思いで下の4つを選びました。


  • DESIGN:「iPadで描く!話題のProject Gemini徹底解説」
    Mr. Will Eisley・Ms. Yuki Ishioka・和遥 キナさん・伊藤 大地 さん
  • VIDEO:「いま最注目の映像ディレクター柿本ケンサクが語る、世の中に求められる次世代映像制作とは?」
    柿本 ケンサク さん
  • WEB:「イマドキのUIデザインには欠かせない!マイクロインタラクションを作るためのズルいCC活用テクニック」
    池田 泰延 さん
  • DESIGN:「日本の文字を支えるタイプデザイナー・夢の師弟対談!〜貂明朝の誕生ルーツを語る〜」
    鳥海 修 さん・西塚 涼子さん

 

ドローイングツール・映像・ウェブ・フォントと関心の強い分野から1つずつ選択しています。
※申し込みが始まってから開催前日までずっと選択画面を開いては閉じの日々が続きます。

そして、結果的にどれも言うことなしの大満足なセッションでした!
次に、セッションを体験した感想を書きます。

 – BREAKOUT SESSIONS

Adobeで開発が進んでいるドローイングアプリ「Project Gemini(プロジェクトジェミナイ)」。
絵を描く者として気になったのと、有名なイラストレーターの和遥キナさんの実演付きというのにも惹かれて聞いてきました。

「Project Gemini(プロジェクトジェミナイ)」って?

現在Adobeが開発中のドロー & ペイントアプリです。
2019年iPad版がリリース予定とのこと。

Photoshopとの連携が可能で、ブラシやファイルの共有もできます。
そして、特徴はなんといっても強力なブラシ機能で、
絵や水彩画をリアルに再現します。
また、ピクセルとベクターを自動でレイヤー分けするらしく、両方のデータが扱えるのも便利そうです。

セッションの冒頭で、Adobeのプロダクト マネージャーWill Eisleyさんが、
「ハードとソフトが揃うことによってデジタルドローイングに革命が起きる」
とおっしゃっていました。

先日第2世代のApple Pencilの発表もありましたが、ドローイング用のハードウェアもますます携帯しやすく使いやすいものに刷新されていますね。
「Project Gemini」の登場にますます期待が高まります!

 

和遥キナさんの「Project Gemini」ライブドローイング

イラストレーターの和遥キナさんが「Project Gemini」の実演として、20分のライブドローイングを披露されました。
女の子のイラストをまずは鉛筆のブラシでササッと書いてるのですが、これがメチャクチャ速い。
ものの3分くらいで線画が完成。

キナさんが描くスピードも速いのですが、「ペンの早さにストロークが追いついてくるので描きやすい」とのこと。
動作の遅延がないのは、ストレスなく描けて良さげです。

塗りは水彩ブラシで複数の色を塗り重ねていくのですが、色がジワ〜っと紙に染み込んでいく水彩特有のあの感じが再現されています!
やはりブラシ機能を推しているだけあって、色ムラの感じや広がりがすごく再現性が高く見える…。
混色についても水彩の重なりが再現されています。

すごく使いこなしている和遥キナさんなのですが、なんと「Project Gemini」の開発にも協力されているとのこと。
日本ではGemini 5(ジェミナイファイブ)と呼ばれる、和遥キナさん含む5人のイラストレーターさんが「Project Gemini」の開発に協力されているそうです。

さまざまなスタイルとバックグラウンドを持ったイラストレーターが、Geminiの可能性を最大化するためにカイルとともに開発に加わりました。

(Adobe Blog「Project Geminiのご紹介」より引用)

上記のメッセージにもあるように、「Project Gemini」をイラストレーターのコミュニティと作り上げていることから、イラストレーターに寄り添ったツールを目指しているのが伝わってきます。

リリースがますます楽しみですね!

このセッションのアーカイブ動画を見る!

Project Geminiのご紹介(Adobe Blog)

 

 – BREAKOUT SESSIONS

映像は少しPremireとAfterEffectsがさわれる程度なのですが、「これからの時代は動画も知らねば」という個人的な使命感のもとにこちらのセッションをチョイス。

柿本さんが制作に携わったUNDER ARMOUR(アンダーアーマー)やPanasonic、Kaneboなどの映像を実際に交えながらの解説でした。
それぞれにユーザーが見る状況やデバイスを考えて、映像の内容やテキスト量も変えているそうで、企業のメッセージを伝えながら、見る人の心を動かす映像を作れるって本当に凄いと思いました。

お話の中には、クリエイターとして共感できる内容がたくさんでてきます。
「一番大事なのは素直であること。自分が一番心に感じたこと、直感のようなものをちゃんと映像に込めていくことが大事な要素だと思います。」
これは、セッションの最後のほうのまとめでの言葉です。
私がデザインの仕事を行う中では、ルールや既存のノウハウにのっとって設計しているため、自分の感覚的な部分に頼ることはほとんどありません。
ただ、場合によってはこういった自分の感覚の部分へ少し目を向けてみることも必要なのかなと考えさせられました。

柿本さんのお話は、アイデアの出し方クリエイターがどうあるべきかなど実践的な話も多いので、映像だけでなく、クリエイター全般の方にとてもオススメです!

このセッションのアーカイブ動画を見る!

 – BREAKOUT SESSIONS

こちらはICS MEDIAでお馴染みの株式会社ICS池田泰延さんのセッションです。
会場は大盛況!ほぼ満席状態でのスタートでした。

実際にセッションで使われたスライドを池田さんご本人が公開されているのでぜひご覧ください。

スライドを見る!

セッションは、何のためにマイクロインタラクションを取り入れるのかという部分から、実装について、ユーザーがそれにより受ける印象など盛りだくさんの内容です。

中でも、マイクロインタラクション用のアニメーション制作ツールとしてXd・Animate・AfterEffectsの3つをあげられており、それぞれの特徴や使い分けについてのお話が目から鱗で勉強になりました。

また、「動きのデザインデータをエンジニアにどう渡すか?」にも言及されており、データごとの実装の難易度についても触れられていました。
デザインデータを作る身としては、エンジニアの負担がわかるので非常にありがたいお話。

動きをデザインするには扱うツールや学ぶ領分も増えるので、デザイナーの幅の広がりを再認識しました。

このセッションのアーカイブ動画を見る!

 – BREAKOUT SESSIONS


最後のセッションは、字游工房の鳥海修さんとAdobeタイプデザイナーの西塚涼子さんの対談です。

游書体でお馴染みの書体設計士である鳥海修さんですが、文字塾という塾を主催されています。
文字塾では1年をかけて1書体をつくるそうです。

昨年(2017年)に登場した貂明朝の制作者である西塚涼子さんも、「可愛い明朝体を作りたい」という目的でこの文字塾に参加されて、実際に貂明朝を作られたそう。

文字塾でのエピソードで、鳥海さんが前の回に指摘したことを、西塚さんは次回までの間に2、3回やってくるので結局原型がなくなるという話をされていました。
西塚さんの貂明朝制作への熱意が伝わってくるお話です。

お二方の掛け合いが楽しいトークセッションですが、実際に文字を作る時の動画や画像もたくさんでてきます。

フォントができるまでを知れる貴重なセッションなので、タイポグラフィー好きにはすごくオススメです。

このセッションのアーカイブ動画を見る!

小話集

「Adobe MAX Japan 2018」にはセッションの他にも、企画やコーナーがたくさんあります。
会場を歩いているだけでも色々なものに出会えますよ。

【閑話1】風船のお姉さんを見つけたら…

正午をまわり、午後の最初のセッションまでメイン会場の散策をすることに。
企業ブースや体験コーナーが賑わう中、風船をバッグにつけたお姉さんを発見!

戦利品:イラレのキーホルダー
コメント:「風船のお姉さんを見つけたらAdobeグッズゲットのチャンス!(来年もあったらいいな)」

 

【閑話2】エンジョイ!『Adobe MAX』

『Adobe MAX』の会場には、お祭り屋台のように楽しそうなコーナーが多く点在します。
そのいくつかを筆者がご紹介。

MAX Store

会場限定のオリジナルグッズが買える『MAX Store』は大人気のコーナーです。
そして『MAX STORE』で購入するためには、朝一番に配布される整理券の入手が必須!

整理券を無事にゲットしたら、オーダー用のシートの中の購入したい商品にチェックして、自分の整理券のグループが呼ばれたらカウンターでシートと商品を交換します。

「よし!たくさん買ってお土産にしよう」と思ったら、購入数はひとり10点までとのこと。
さらに同一商品は1点までという縛り付き。(さすが大人気コーナー)
今回は、コースターとMAXのロゴが入ったパーカー、ノートの3点を購入しました。

(「MAX Store」の前にて)

写真撮影コーナー

こちらはPhotoshopの中に入れちゃうコーナー。
写真を撮ってくれるスタッフさんがいらっしゃるので、1人参加の人でも安心です。

手に持つ用のパネルも種類が豊富なので、自分のイチ押しツールをもってハイチーズ!
私はやはりIllustrator推しです。


(ツールの画面に入ったような記念撮影ができるコーナー)

他にもいろいろ

18:30からのBEERBASHではアドビオリジナルカクテルが貰えます。
カクテルはPsAiXdが選べますが、ここでもやはりAiを選択。
カクテルの上にハーブや花などの盛り付けができるコーナーもあり、なんとオシャレなBARカウンターでの撮影コーナーも用意されています。

また、タトゥーシールを貼れるコーナーもあります。
好きなAdobeツールのシールを水で濡らすだけで皮膚にピッタリくっつきます。
手につけてる人が多いみたいですが、中にはおでこにつけてる方も…!

ランチセッションでは、MAXのお弁当が貰えました。
まさかお弁当があると思ってなかったので、嬉しさいっぱいで開けてみると、サンドウィッチや唐揚げ、クッキーなどが食べやすいように小包装されて入ってました。
味もおいしいうえに紙パックのオレンジジュースもついて至れり尽くせりのおもてなしです。
これでイベント参加費無料って本当にすごい。


(左:BEER BASHでもらえるIllustratorカクテル/右上:アドビツールのタトゥーシール/右下:ランチセッションで貰えるお弁当)

まとめ

Adobe盛りだくさんで、見るもよし体験するもよしのイベントでした。
参加者や登壇者などの姿、制作の様子を見ることで、非常に刺激を受けることができたと思います。

全体を通しては、Project GeminiAdobe RushiPad版Photoshopなどモバイル端末向けアプリの発表が多く、今後はスマホやiPadなどの端末のコンテンツが充実していきそうですね
より場所の制約がなくなり、さらに自由な創作ができるようになるのかなと想像が膨らみます。

今回私は単独での参加でしたが、体験や感動を共有できる仲間との参加もすごく有意義な時間になると思います。
この記事を読んでまだ行ったことないという方は、ぜひ来年の「Adobe MAX Japan」へ参加してみてくださいね!

行けなかった方・見たいセッションが重なってて見れなかった方に朗報
「Adobe MAX Japan 2018」アーカイブ映像が公式サイトで公開されています!

ビデオアーカイブのページはこちら

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